伊藤園がTULLY'S(タリーズ)コーヒーブランド商品のCMで大攻勢をかける予定のようだ。4月末までに6,000GRP。年間1万GRPとの計画もある。ざっくり言って、半年で1人60回、年間100回はそのCMを見ることになるほどの大攻勢だ。その戦略的な意図、そして、そこにいたるまでの道のりを考えてみよう。
自販機で売れる商品を展開することは、もう一つ大きな意味がある。
自販機が飽和する。自然と過当競争が起きる。ましてや長引くデフレの世の中である。昨今、街ナカの自販機を見れば、100円前後の「安売り専用自販機」や、通常の自販機でも10~20円の値引き販売をしているのが目に入る。商品の魅力を高め、価格を維持すること。それも欠かせない戦略なのである。
これからイヤでもタリーズの缶コーヒーのCMを目にすることになるだろう。しかし、その裏には、CM(広告・Promotion)だけでなく、魅力ある商品(Product)の開発と自販機という販売チャネル(Place)の確保に多額の投資をして、価格(Price)を維持して販売をしようという、マーケティングミックス(4P)がきれいに整合した中・長期的な戦略が描かれていたのである。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。