日経MJ10月18日号2面「伸びる市場・ヒット商品分析」の欄に「食べるラー油」の記事が掲載されている。<「食べるタイプ、ブーム続く」><前年同月比10倍の伸び>とある。「食べるラー油市場」の動きと、これからはどうなるのだろうか?
日経MJの記事ではタイトルに<ブーム続く>とあるものの、文中に<前月比で若干落ち込む動きも出ている>という情報もあるように、需要がこのまま伸びて行くとは思われない。むしろ、どこまで踏みとどまるかだろう。ブームが継続しているのは、「食べるラー油の次」が登場していないことが大きい。次は「ご当地系調味料だ!」「生七味だ!」などといわれてはいるが、いずれもブレイクはしていない。
Late majorityの次に控えているのは極めて保守的で頑固、なかなか新しいものを採用しないLaggard(遅延採用者)といわれる層で市場に16%存在するといわれている。正直なところ、この層が動き始める頃には、市場の流行がもう他に移っている。つまり、衰退期になるわけだ。いつ、その境界を越えるかは、次のヒット商品の登場しだいであり、故に、<生産設備の増強に向けては難しい舵取りを迫られそうだ>ということになるのだ。
しかし、次のヒット商品が登場して衰退期に入っても、完全に「食べるラー油」が消えてしまうことにはならないだろう。成熟期から衰退期にいたる過程で力の弱い競合は市場から撤退していく。生き残った企業・ブランドは生産の効率化などによって、定番化を進めるのである。
ブームがいつまで続くのか。次の商品の登場を楽しみにしつつ、その境目と、その時の市場の動きに目をこらしてみたい。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。