この記事を読んでいるのが男性であれば、どのような服装をしているだろうか。金曜日ということもあってか、通勤時間帯もカジュアルな服装が目についた。「カジュアルフライデーか」と思いつつ、その言葉自体が死語になりつつあることに気がついた。
「高価で高い品質」の商品で勝負する戦略を「プレミアム戦略」という。「安さに徹して品質も低くする」戦略は「エコノミー戦略」という。バリューライン上の高低両端のポジションだ。「銀座の男市」に代表されるのは、「中価格で高い品質」を実現する「高価値戦略」。7,800円で機能てんこ盛りのイオンのスーツは「低い価格で中程度の品質」に高める「グッドバリュー戦略」である。共に、バリューラインを超えたポジションを実現しているのである。
バリューライン上の究極のポジションは「低価格で高価格品と同等の品質」を実現する「スーパーバリュー戦略」である。しかし、その実現は容易ではない。
少子高齢化と服装のカジュアル化で市場のパイの縮小が続く紳士スーツ市場。生き残りのためには、その困難なポジションをスーパーや量販店という本来の廉価市場のプレイヤーと、百貨店などの高額品市場のプレイヤーが共に狙いに行くことは間違いない。まさに生き残りのための知恵と力比べが続くのである。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。