2001年に日本市場から撤退したバーガーキングが、ロッテリアとリヴァンプの資本で再上陸して丸3年となる。現在の3倍にあたる100店舗に向けた出店を掲げる同社の課題を考えてみたい。
自分の好みに合わせてバーガーをカスタマイズできる「HAVE IT YOUR WAY」は、実はとても楽しく美味しい。筆者のオススメは「レタス・オニオン・ピクルス全部増量、ケチャップをあふれるほどたっぷり」である。しかし、奥ゆかしい日本人としては、無料の増量や、「ピクルス抜き」などの減量でも店員に手間をかけさせることを躊躇する人は多い。サービスの「認知度を上げるべくプロモーションを強化していく」と記事にあるが、そんなにカンタンなことではないだろう。
ひとつ手本になると考えられるのか、サンドイッチの「サブウェイ」の展開だ。
そもそもサブウェイは、基本のサンドイッチのメニューは決まっているものの、パンの種類から、野菜の増減量、トッピング、ドレッシングの種類までを手際よくオーダーしていくことが求められる。それだけでも大変なのに、「○○を増量してください!」とは、思っていてもなかなか言い出せないという声が多かった。
そこで効果を挙げたのがTwitterだ。
subwayjpというアカウントで、「野菜のサブウェイ:野菜ラボの中の人」が運営している。約1万4千人のフォロアーと様々なコミュニケーションやメニューの紹介をしつつ、初心者には「オーダーのしかた」を定期的にアップして利用を促しているのだ。具体的には以下の通り。
<[再掲]サブウェイご利用のコツ♪サブウェイは野菜(オニオン、レタス、トマト、ピーマン、ピクルス、オリーブ)と追加調味料(塩コショウ、マヨネーズ、マスタード、ケチャップ、ハラペーニョ)の増量が無料です。野菜の注文場所まできたら、「野菜増量で(キリッ」とお声掛けを♪>
筆者自身も実はオーダー時の気恥ずかしさから、サブウェイには足が向いていなかったのだが、「野菜増量で(キリッ」に動かされて、今ではすっかりファンになっている。
現在、バーガーキングはTwitterの公式アカウントはなく、いくつかの店舗が独自で運営しているようだが、同社ユーザーとTwitterの親和性は低くない。2010年4月、ロッテリアの経営からリヴァンプが離れた際、いくつかのロッテリア店舗が居抜きでバーガーキングに変わった。そのひとつ、飯田橋店ではアルバイト店員がリニューアルオープンを事前にTwitterで告知し、開店時に40人が行列したという事例がある。
<飯田橋に「バーガーキング」-オープン告知はツイッターで>(2010年4月19日市ヶ谷経済新聞)
http://ichigaya.keizai.biz/headline/833/
現在も飯田橋店のアカウントは1300人を超えるフォロアーを持って活況だが、公式アカウントの有効活用が望まれるところである。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。