「その件は近いうちに」とか「すぐに処理します」等々。期日や時間に関 して無意識のうちにあいまい言葉を使っているケースが意外に多い。文化 を共有する社内の人間を相手にする場合ならさして問題にはならないが、 社外の人に使うときには要注意だ.
たとえば光回線に何らかの障害が発生したとする。明らかなトラブルであ
る。インターネットにつながらないとなれば仕事に差し支えが出る。そこ
で回線業者に電話をかけたら「すぐに対処します」と答えてもらえた。こ
の場合は、個人差はあるだろうけれどせいぜい30分ぐらいが辛抱の限界
だろう。30分経って改善の兆しがなければ、少しずつ不信感と怒りが膨
らみ始める。この時点で先方から「これこれこういう障害が起こっている
ために、かくかくしかじかの処理で対処します。従って復旧は2時間後ぐ
らいになります」ぐらいの連絡をもらえれば、何も問題はない。
ところが待てど暮らせど一向に連絡一つ入らず、もちろんネットは不通の
ままだったらどうだろう。「われ、何しとんねん。これで大事な取引がち
ゃらになりでもしたら、きっちりおとしまえ付けてもろたるからな(とな
ぜか関西弁になってしまうけれど)」ぐらいにカッカしてしまうこともあ
るだろう。
ちなみにシチズンの調査(→ http://www.citizen.co.jp/research/time/
20060531/02.html)によればだいたい半数の人が「すぐ」といえば10
分以内と捉えているようだ。2番目が30分以内で約20%。ということ
はどう甘めに見積もっても30分がリミットだということだ。30分以内
にトラブルを処理できれば良し、それ以上時間がかかりそうな場合は、ま
ず30分で一度連絡を入れるべし、である。
では電話での「ちょっとお待ちください」はどうか。この場合の「ちょっ
と」の解釈は『30秒』(33.3%)、『10秒』(27.0%)、『2
0秒』(20.8%)の順となっている。何とも微妙なラインだが、これも
とりあえずリミットは30秒と考えて、しかしできる限り早くが望ましい
のだろう。何しろちょっと=10秒と考える人も、だいたい3分の1はい
るんだから。もしこのアンケートが関西エリアだけで実施されていたなら、
10秒以内と答えた人が半分を超えているはずだ。それぐらい関西人は
「イラチ」である。
想像するにこうした時間感覚は職場によっても大きく変わってくるだろう。
たとえば相手がお役所の方々だったらどうか。「すぐ処理します」と答え
たのだから「明日にでもかかればよいだろう」ぐらいの感覚をお持ちの可
能性は十分にある。いわゆる大企業なんかでも、わりとのんびりした感覚
がまだ残っているんじゃないだろうか。
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