近年、首都圏では「高層マンション」が ガンガン建設されてますよね。 当然ながら、日当たりがよく、 眺望の良い「高層階」ほどお値段は高い。
最近は、花火大会で打ち上げられる花火を
自宅で居ながらにして鑑賞できる部屋もあるそうです。
なにしろ、花火の上がる高さと同じくらいの部屋も
あるでしょうから、相当な迫力でしょう。
やはり当然ながら、こうした部屋は希少価値が高いせいか、
人気も高く、さらにお高くなりますね。
さて、日本や欧米では、おおむね
「マンションは高層階ほど人気」
というのが常識ですから、
「当然ながら・・・」
というまくら言葉をつけてしまいます。
しかし、世界を見渡してみると、
「高層階の部屋ほど不人気」
というところもあるのです。
経済発展著しいベトナムのハノイ。
ここでは、ある賃貸アパートを見に来た夫婦が、
「このアパートには5階以上の部屋しか
空いていなかったから他のところを探す」
とコメントするほど。その理由は、
「怖いから」
だそうです。
地元の不動産屋の話によると、
ある新築アパート最上階の家賃は、
日本円にして月額約2万3千円。
一方、同じアパートの1階、
間取りはほぼ同じで、同3万円強。
高層階の方が7千円/月も安い価格設定です。
日本などと逆ですね。
それでも5階以上の部屋の借り手は
見つからないのだそう。
国内が戦場となった激しい戦争を経験し、
まだその記憶が生々しいベトナム人にとって、
「高層階の部屋は、
いざという時にすぐに逃げ出せない」
という点が、精神的な壁になっているようです。
上記のベトナムの話は、日経夕刊に
たまに掲載されるコラム
「ところ変われば・・・」
がネタ元です。
このコラムでは、
海外のさまざまな生活習慣や風習が紹介されているので、
毎回興味深く読んでいます。
こうしたコラムを読み、自分たちの基準からは大きく
異なる考え方や暮らしをしている人々のことを知るのは、
固定観念に縛られがちな頭脳を柔らかくするのに効果が
あるように思います。
蛇足ながら、確かに高層階の部屋は、
何事もなければ快適な暮らしが送れると思います。
窓を開ければ涼しい風が吹き抜け、
猛暑の夏でも冷房不要だったとも聞きますし。
でも、いざなんらかの災害が発生し、
エレベータが停止してしまったら本当に大変です。
たとえば、地上38階に買った部屋に行き来するのに、
毎回階段を上り下りしなければならないとしたら、
気が遠くなりそうですよね。
食料の調達とかもままなりません。
実際、災害時における
「高層マンション難民」
の発生が首都圏では危惧されていますね。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。