「ハーフ」で「ニュー」な時代をどう生き延びるか

2009.12.04

営業・マーケティング

「ハーフ」で「ニュー」な時代をどう生き延びるか

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 「変わり続けてく街並みのように、元には戻れない若いふたり・・・」切ない歌のフレーズがそこだけ頭にこびりついていて離れない。何という歌だったろうか。  しかし、元には戻れないのは若いふたりだけではない。世界は、もう元に戻れないのだという。

■新たな価値で自社に取り込め

 「代替されない」以外のキーワードを考えるなら、「新たな価値創造」だろう。・・・ちょっとビッグワードすぎるので、まずは具体例から。
 日経MJヒット商品番付にも登場した「資生堂UNO FOG BAR」
 
 <“ポストワックス”狙う「ウーノ フォグバー」登場、ヘアスタイリング剤の勝者は?>(<日経トレンディネット11月19日)
 http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20091106/1030096/?P=1

 華やかな「イケメン四天王」のCMもさることながら、ワックスのベタベタさをなくした商品は画期的。その良さは使えば分る。<新開発した水溶性の整髪成分が配合されており、髪一本一本を互いに吸い付かせ>ていて、<髪の毛を束に固めないので、何度でも手直しできるのが特徴><霧状なので髪全体に均等にスプレーでき、ワックスの弱点であるべたつき感や重さ、洗髪のしにくさをカバーした>といいことずくめである。
 但し、実はワックスほどやはり強力じゃない。なので、髪を大胆に「盛」ったり、「エアリー」(古いか?)にしたりはちょっとしにくい。故に、ナチュラルっぽくなる。そのお手本のヘアスタイルを、CMで「イケメン四天王」がやっているのだ。つまり、廃る提案をしつつ、新たな価値を訴求している。
 さらに、本来男性用であるが、「女性が使ってOK」と、ターゲットを2倍にしている。女性ターゲットにも「イケメン四天王」は効果的。高そうなギャラのもとは十分とっているだろう。

■「反動的需要」を取り込め!

 何事も行きすぎると「反動」が出る。健康ブームやメタボ撲滅。さらには昼食費の削減と、「食」はどんどん地味になっていく。でも、それも「ハーフ」だし「ニューノーマル」としては致し方ない。と、思えない人もしっかりいるのだ。
 <1食1800kcal越えも!“あぶら料理専門”レシピ本発売>(東京ウォーカー11月27日)
 http://news.livedoor.com/article/detail/4474172/
 <本の中身は、「ガーリック&バターしょうゆステーキon the ライス」や「満腹マヨ玉ツナグラタン」、「ミックスフライソースカツ丼」に「羽付きラード餃子」など><全ページ、バターやラード、マヨネーズ、生クリームなどをた~っぷりと使った“高カロリーメニュー”が並ぶ>
 需要があるから、本にまでなる。例えば、都内では「全席喫煙可」の喫茶店などが人気を集めているのも一例だ。マイノリティー需要を取り込むことも、この時代の生き残りには重要である。

 実は今回のネタはここ1週間でネット上に掲載された記事を集めたものだ。それを、「ハーフエコノミー」と「ニューノーマル」というフィルターで見たのである。売れる商品、顧客が集まる商売は、きちんと時流を捉えているのである。そうした動きが自然にできることが「ニューノーマル」として求められているに違いない。

  

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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