テレビゲーム・インターネット・通信販売・自宅での食事などに関連した消費が活況を呈している。いわゆる「巣ごもり消費」である。関連した株の上昇を期待して「巣ごもり銘柄」なる言葉も誕生している。では、その市場環境の変化を商機とするにはどうすればいいのだろうか。
米国資本の食品メーカーである「ハインツ」の動きが興味深い。ハインツはケチャップが最も有名であるが、スープ、ソース類も主力商品である。
ハインツの日本法人、ハインツ日本がキャンペーンを展開している。
「ホワイトソースのレシピ提案 『ほっと!するメニュー』キャンペーンを開始 “巣ごもり現象” で手料理が注目を集める中、ロングセラー商品の価値をあらためて紹介」(※4)ニュースリリースによれば、日本の9割の主婦がホワイトシチューを用いているが、より本格的に作るために「ホワイトソースを用いること」。さらに「ホワイトソースメニューのバラエティーを広げること」などを「提案」している。
節約志向や巣ごもり消費は待っているだけでは享受できないのは、前述のキャンベルスープの事例で明らかだ。積極的な消費者への働きかけ、提案によってそれを商機としなくてはならないのだ。ハインツの「提案」は、食品メーカーの使い方提案、レシピ提案と考えてしまえば当り前のようにも受け取れる。しかし、「巣ごもり消費」にフォーカスして、それ商機として取り込もうと確実に動いている点には学ぶべきであるといえるだろう。
※1 nikkeiBPnet<「巣ごもり消費」~20年かけて準備されたトレンド2009年3月3日>
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090303/136128/?P=1
※2 MarketWatch<Avoiding the soup line Commentary: Campbell Soup shows investors this is not the 1930s April 6, 2009>
http://www.marketwatch.com/story/campbell-soup-shows-not-great?dist=msr_2
※3 J CASTニュース<内食」を極めたい! 「プロ用調理具」主婦に人気 2009/11/11>
http://www.j-cast.com/2009/11/11053701.html
※4 ハインツ日本 ニュースリリース 2009/11/11
http://prtimes.jp/data/corp/595/3a9b021d33ff21d1a62f0abb8882bd1d.pdf
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。