永谷園が9月より秋冬期間限定で発売しているという、こども向け生姜入りのホットレモン飲料『つよいぞ!ジンジャーくん』。「こどもに生姜?」という感もあるのだが、実はここには同社の精緻な戦略が仕込まれているのである。
「ジンジャー君」もDMUへの働きかけの設計が絶妙である。
通常母親に働きかけをするところを、こどもにもキャラクターでアピールする。生姜に興味がない母親だったら、生姜飲料は目に入らない。それを想定して、こどもも狙っているのだ。こどもが「買ってー」と稟議を挙げる。母親は生姜の効用を認知して、購入を決断。さらに、自分でも飲んでみるという意志決定をする。二人で飲めば、消費量は2倍である。
生姜に対する熱い思いを伝えたくても、興味のない人には届かない。しかし、そんな人にこそ、生姜を試して欲しい。逆説的な課題を解決するのが「ジンジャー君」というキャラクターであり、『つよいぞ!ジンジャーくん』という商品なのだ。
ただ思うだけではなく、しっかりとした顧客へのメッセージ伝達経路を設計している「永谷園・生姜部」の戦略に脱帽である。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。