「ペルソナ」とは、 文字通りの意味は「仮面」です。 マーケティングの世界では、 「企業が提供する製品・サービスにとって 最も重要で象徴的な顧客モデル」 のことを意味します。
ここで、
「顧客モデル」
とは、わかりやすく言えば、
「ターゲットユーザー像」
を具体的、詳細に説明(記述)したものです。
一般に、ある製品・サービスのターゲットユーザーを
設定する場合、その説明は、
「都心に住む女性F1層(20-24歳)」
といった、粗い漠然としたものにならざるを得ません。
(実際は、もう少し詳細ですが)
一方、「ペルソナ」は、架空の存在ではありますが、
・氏名
・年齢
・自宅住所
・職業
・勤務先
・年収
・家族構成
・趣味嗜好
・ライフスタイル
・身体的特徴
・性格的特徴
などが具体的に決められています。
私なりの理解を申し上げると、「ペルソナ」とは、
製品・サービス、Webサイト等の開発・改良のための
思考ツールです。
詳細に記述されたターゲットユーザー像を
用いることによって、ユーザーに対する理解が深まり、
結果的に、ユーザーニーズを的確に押さえた、
エッジの効いた魅力的な製品やサービス、Webサイトが
開発可能になります。
私自身、「ペルソナ」には10年ほど前から注目し、
実際の「Webサイト設計」において「ペルソナ」的な
アプローチを採用したことがありますし、また、
当メルマガ&ブログでも、さまざまな形で取り上げてきました。
(記事へのリンクは、末尾にまとめてご紹介してます)
とはいえ、最近まで「ペルソナ」は、
まだまだ「マイナーな手法」にとどまっていました。
しかし、今年(2007年)は
ペルソナの設計法についての本が初めて発売されましたし、
日経情報ストラテジー最新号(OCTOBER 2007)では、
「ペルソナ」マーケティング
というタイトルで特集が組まれています。
「ペルソナ」も、ようやくメジャーになる兆しがあります。
では、上記日経ストラテジーの特集から、
BtoCの具体事例をひとつご紹介しておきましょう。
大和ハウス工業が、2002年10月から発売している
「EDDI's House」
はデザイン性と材質にこだわった住宅です。
この「EDDI's House」の商品企画・マーケティング施策
の展開に活躍しているのが、
「田崎ファミリー」
というペルソナ。同住宅商品のプロジェクトメンバーに
よって作成された架空の家族です。
「EDDI's House」のマーケティング担当者は、
常に「田崎ファミリー」の存在を念頭に置き、
「田崎夫妻ならこうしたものを喜ぶのではないか」
というコミュニケーション手段を模索しています。
すなわち、「EDDI's House」のWebサイト、メールマガジン、
雑誌広告、雑誌記事、展示会、専用のコールセンター、
さらに、「スタイルブック」と呼ばれるムック本まで、
あらゆる顧客接点でのコミュニケーションが、いわば
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2007.09.06
2007.09.07
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。