『「ワタシが主役」が消費を動かす』

2009.10.08

ライフ・ソーシャル

『「ワタシが主役」が消費を動かす』

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

女性マーケティングのプロが書いた本。 『幸福の方程式』で示されたような、 新しい「消費者心理・消費行動」について、 女性の視点から具体的に解説されてます。 やはり、マーケター必読書でしょう。

昨日ご紹介した『幸福の方程式』では、

「消費」は、

新しい幸福の物語を完成させるための‘道具’

 =道具消費

に過ぎなくなりつつあるということでした。

『「ワタシが主役」が消費を動かす』の冒頭では、
まさに上記の「道具消費」の実例が紹介されています。

同書によれば、東京・表参道では、

「ゴミのポイ捨てはカッコ悪い」

という呼びかけに、学生やギャルたちが、
ボランティアでどんどん集まってくるとのこと。

そして、おそうじが終わった後、
周辺のカフェは、彼らで賑わっています。

彼らは口々に言うのだそうです。

「ここに参加すると、新しい友だちができるから」

「街をキレイにしながら、おしゃべりもできて、
 終わってからみんなで、カフェでお茶するのが楽しい」

著者の日野氏は次のように付け加えています。

“
カフェがクーポンを配って、コーヒーやサンドウィッチを
買ってもらう宣伝にやっきになる一方で、早朝からカフェを
賑わしているその集団は、「ゴミを拾う」ことを目的に
集まった若者たちなのです。

”

『幸福の方程式』流に解説するなら、

「社会に貢献するという物語」
 (街をキレイにすることで社会に役立っているという感覚)

および、

「人間関係のなかにある物語」
 (志を同じくする仲間と集まり自分の居場所を確認する)

を生み出すことを通じて、
彼らは「幸福」を得ているということ、
そして、これを支援してくれる道具として

「カフェ」

が利用されているということになるでしょうね。

しかしながら、企業のマーケティング担当者は
この現実をあまり理解できません。

日野氏は、次のように愚痴っています(笑)

“
このような事例(表参道でゴミ拾い)があるにも
かかわらず、私たちのようなマーケティング会社が、
企業から集客企画を頼まれたときに、

「朝、街を掃除する活動をしましょうよ」

と提案しても、依頼者の頭の中は「?」マークで
いっぱいになります。

「なんで、それが販促になるんだ?」

「売上げ確保と掃除は、どんな関係があるのか?」

「コーヒーを売りたいのに、コーヒーを飲むかどうかも
 わからない客たちを集めて、労力がかかる一方だ。
 コーヒーを飲みたい、という見込み度のできるだけ
 高い客集めの企画にしてくれよ」

と鼻で笑われてしまいます。
”

どうやら、消費者の意識変化に、
多くの企業のマーケティング担当者は
まったくついていけていないようですね。

さて同書では、現在の不況下での

「消費者の3大意識」

として、以下を指摘しています。

次のページ(1)「いいモノをいかに安く選ぶか」

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松尾 順

松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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