デジマムはケータイ派、それともPC派

2009.10.01

営業・マーケティング

デジマムはケータイ派、それともPC派

竹林 篤実
コミュニケーション研究所 代表

初めての子育てには不安がつきもの。核家族ゆえにおかあさんに頼ることもできない。インターネットは、そんな初出産ママの強い味方だ。ネットを使いこなすお母さんをデジマムと呼ぶ。

そう、子育てママはケータイではなく、出産を機にパソコンユーザーへと転向するらしい。「(NTT西日本のネット調査によると)42.8%が出産を機に、携帯電話よりもパソコンでネットを使うことが増えたと答えている(日本経済新聞2009年9月15日付朝刊35面)」。

情報の一覧性、見やすさや表示の速さなどを考えれば、ケータイよりPCサイトの方が見やすいのは当たり前。しかし、そんなことは百も承知でありながら、彼女たち(=デジマム)も出産前はケータイを使っていたはずだ。だから、ケータイからPCへのシフトには、赤ちゃんに絡む何かもっと深い理由があるのではないのかと勘ぐってみたりする。あるいはNTT西日本さんの調査に何か偏りがあったのか。

結局デジマムはPC派、それともケータイ派?

なぜ、そんな疑問を持つかといえば、少し前になるが、やはり日経MJ新聞で『ケータイ主婦進化論』と題した記事を読んでいたからだ。これによると「(子育て主婦がケータイをメインで使うのは)両手がふさがるパソコンや本と違い、ケータイなら子どもをあやしながらでも片手で短時間に情報収集ができるからだ(日経MJ新聞2009年1月23日付20面)」と書かれている。

あるいは「ネット検索自体がパソコンよりケータイの方がなじみがあるという20歳代女性がすでに主婦層の一角を占め始めたことも見逃せない。ケータイの機能向上による脱パソコン化を学生時代に経験してきた世代は結婚して子供が生まれた後、ケータイ重視の傾向を一段と強めるのかもしれない」と解説にある。

どっちでもいいではないか、と簡単に見過ごすことはできない。メディアとしての特性は、ケータイとPCでは質的に異なるからだ。その違いはデジマムをターゲットとしたマーケティングを展開するときの具体的な戦術レベルに決定的な影響を与えるはずだ。

さて、ここで思考実験である。

仮に育児用品メーカーから、新製品開発プロジェクトへのお誘いがかかったとして、あなたなら、どう考えるだろう。ことはプロモーションと、もしかしたらプレースにも関わる問題である。ということはコスト構造にも影響を及ぼすはずで、プライスにも関わってくる可能性は高い。あなたなら、デジマムの特性をどう解釈されますか。

<おまけ>
InsightNowのサイトに、新しくコミュニティ機能が用意されました。せっかくなので、これを使ってこんなテーマについての、オンラインディスカッションをやってみようかと思うのですが、参加される方はいらっしゃるでしょうか?
参加されてもいいかなと思われる方は、どうぞお気軽にコメントをいただくか、あるいはメールをいただければ幸いです。

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