2009.06.04
BtoBのできる営業組織 虎の巻③
上島 千鶴
株式会社Nexal ビジネス戦略、Web戦略コンサルタント
コメント:BtoBのできる営業組織シリーズ虎の巻1と2を読んだという企業数社から問合せや相談がありました。Webを利用したネット上における施策とリアルの営業部隊をどのようにうまく回していけばいいのか、どの企業も試行錯誤の中で模索している状況でした。今回はBtoB企業におけるクローズドループマーケティングの考え方をまとめます。
▼できる営業マンを見習え
先ほど、各マーケティング手段は顧客情報を集めるだけで、年間を通じて顧客の動き自体は見ていないという話をしたが、できる営業マンは見ている視点が異なる。社内でNo1営業という人は必ずいると思うが、彼等の営業スタイルを分析してみて欲しい。
以下の内容は、当たり前の話もあるが参考になれば。
1.決算期によって製品検討のタイミングが異なる
来年度の予算編成の時期は、上期の決算が出揃ってから始まる。経営企画部門または財務部門の方から次年度の予算案の骨子が決まる。各ビジネスユニット(事業本部)では第3四半期の収支結果が出てくる時期から各部門では次年度の予算計画が始まる。
Q3と言っても、日本企業では3月決算期が多いので11月くらいから(早い所は10月、外資系は12月決算の企業が多いので9月くらいから製品やサービスの比較検討を始める。このタイミングでは情報を収集するだけで、まだ買わない。顧客側はだいたいいくら予算化しておけば良いのか、概算を知りたがる。
決算状況に応じて予算枠は大きく変わるので、IR情報は必ずチェックすること。できない営業マンは「いつ頃購入予定か」聞かない、聞けないためこの案件に期待し、ずっと引きずる。
2.顧客の内情は常に変化する。タイミングを見逃すな
特に4月や12月の人事異動の時期、役員が入れ替わる、系列企業の場合は親会社から新しい役員が就任してくる。
また年度末の3月や11月、担当者が課長・部長に昇進する時期が必ずある。役職に応じて権限が変わるため使える予算枠が変わる。
このようなキーマンが交代する時期は、チャンスでもある。ただ花を贈るだけでなく、自社のキーマンを連れて挨拶にいくべき。(自分の役職が低い場合)
尚、出資企業が変わる・系列が変わると言ったタイミングで必ず人事異動がある。チェックしておくこと。
3.会社が出す一斉メルマガは人間味が薄い。自分の言葉でメールを送れ
自社製品のセミナーを開催するメルマガを、顧客リストに対して一斉メールを送っても、よっぽど興味の引く内容か人参役としての基調講演でも無ければ満席にはならない。
大量にメールが行き交う今、メーラ設定でフォルダの自動振り分け機能を使っている人はほとんどである。
定期的に配信されるような企業メールは、あるフォルダにまとめられることが多いため、開封率もこの5・6年で少なくなり微々たる数字である。(各社の効果測定実績から)
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