2009.06.04
BtoBのできる営業組織 虎の巻③
上島 千鶴
株式会社Nexal ビジネス戦略、Web戦略コンサルタント
コメント:BtoBのできる営業組織シリーズ虎の巻1と2を読んだという企業数社から問合せや相談がありました。Webを利用したネット上における施策とリアルの営業部隊をどのようにうまく回していけばいいのか、どの企業も試行錯誤の中で模索している状況でした。今回はBtoB企業におけるクローズドループマーケティングの考え方をまとめます。
これでは、営業社員をたくさん抱えている企業にとってはコストのかかるマーケティング手法としか言えない。1受注当たり、1顧客当たり、1人の営業当たりのROIをリード元別に集計すると、マーケティング手段の中でも対面営業が一番コストが高いことが分かる。
対面営業は最終手段であるべき。
▼クローズドループマーケティングの考え方
BtoBにおける営業スタイルは釣りに例えると、マグロの一本釣り。1,000万を超えるような製品や案件は、ネット上のカート(カゴ)に入れて決済できるようなBtoCモデルとは全く異なる。
また、ASPやSaasなどのサービス単価が安く大量に引き合いが欲しい場合はアジの地引網漁法に近い。
中小企業をターゲットにしている場合は一本釣りではコストがかかるため、何を釣るかターゲットに応じてマーケティング手法は異なる。
一本釣りの場合のマーケティングとして
1.広大な海のどこにマグロの魚群がいるか
例)ターゲットの明確化・ニーズの掘り起こし
2.どんな餌に食いつくか
例)例販売製品やサービスの強み、導入メリットデメリットなどのリーチ手段
3.どうやって釣るか
例)ソリューションや提案方法
の3ステップが重要なポイントとなる。
50代以上の部長職で生粋の営業マンだった方々は、マグロがいる場所を嗅覚で探し、勘と経験でマグロを釣ってきている。
そのため手帳にびっしり顧客情報が書き込まれ、日々の情報収集など努力を怠らない。
勘と経験はドアノックや足で稼ぐことから始まり、部下に教えるには理論より実践(OJT)で伝えるしかなかった。(匠のような一種の職人技みたいなもの)
しかし、マグロと餌が多様化している現代、水面下で全く見えないネット上でのマグロの動きがある。これらをどうやってコントロール(把握)するか・・・
マグロがいる場所をあちこち探し回るのではなく、餌が美味しそうだと近づいてきたマグロを緩~い網の中に囲い込んでしまうマーケティングが、クローズドループマーケティングだと考えてもらえれば分かりやすい。
見えない網の中に囲い込み、様々な(美味そうな)情報を提供する。
そろそろ製品を購入検討に入りそうだ、という動きをキャッチしたタイミングで一番コストがかかる対面営業部隊が出動するという仕組みだ。
ではどうやってタイミングを計るか・・は長い話になるので次回まとめる。
※追記:一旦、既存顧客となったマグロは、完全な網の中でサポートを行えばよい。この既存顧客向けのサポートの仕方も今は多様化しつつある。
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