昨今の飲料市場において野菜ジュースカテゴリーは縮小傾向にあった。そんな環境の中、各社からテコ入れのため新商品の上市や既存商品のリニューアルが続いている中、されているが、そんな中、異彩を放っている商品がある。
市場のトレンドが明確になったのはその後だが、キリンビバレッジはどのような戦略をとるのだろうか。
トレンドに適合していない商品を展開しているのはマズイのではないか。何といっても飲料業界第2位のサントリーが市場の方向性を牽引しているのだ。その動きは加速する可能性はたっぷりあるだろう。
しかし、筆者の予想としては、「しっかり摂れる濃い野菜」が製品の中核価値である「濃い」という部分をリニューアルしてスッキリ系に移行することも、商品自体が廃番になることもないと考えている。
キリンビバレッジの自社調査である<「濃い」味覚が特に重要視>という消費者が現在どの程度存在するかわからないが、ある程度のボリュームは確実に存在するはずだ。だとすれば、その層を確実に取り込む「ニッチャー」としての戦い方を展開するのが正解だろう。飲料大手であるキリンビバレッジとしてはニッチ戦略はなかなかとりにくいであろうが、傘下の小岩井ブランドであれば、自社のブランドイメージへの影響も少ない。
市場のトレンドをとらえることは重要だ。しかし、追随するだけでなく、自社が勝てるところを発見し、そこで活かせるブランドという武器を使って確実に勝っていくのはさらに重要なことだといえるだろう。「鶏口牛後」の例えもある。小岩井ブランドでのニッチ戦略。しばらく見守ってみたい。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
飲料業界ウォッチ
2009.04.10
2009.04.05
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。