グルインとはグループインタビューのこと。マーケティングリサーチで一般的に使われる手法です。が、筆者はグルインでは正確な調査は難しいと考え、一対一のデプスインタビューにこだわっています。
今後、ケータイのブロードバンド化が進めば、
テレビ電話を使った実況モニター調査などもできるでしょう。
一般消費財やショップ関連の調査ではケータイが
そのあり方を大きく変えて行く可能性がありそうです。
BtoBの場合でも事前調査は欠かせません。
目的によりますが、たとえば顧客の潜在的な不満抽出調査なら
最低でも40?80ぐらいの項目に評点づけして回答してもらうことが必要でしょう。
インタビュワーにとっては、
こうした事前調査がインタビューガイドを組立てる上で極めて貴重な資料となります。
そして最後はインタビュー本番での「聴き方」です。
デプスインタビューの真骨頂は、相手の本音を引き出すことにあります。
その本音も、筆者は基本的に相手がこれまで言葉にしてこなかった
『不』を引き出すことこそ、デプスインタビューの真価だと考えています。
そのためには、まずできるだけ早くインタビュイーとの間で
ラポール(=信頼関係)を築くことが必要。
だから相手の考えていること、意見を予め知っておくことが重要なのです。
相手と一通りの信頼関係ができれば、テーマに基づいて話を聴いていくわけですが、
ここで心がけたいのは、上述したように相手の『不』を引き出すことに集中すること。
『不』とは不満、不安、不評、不信、不足、不平、不具合、不都合などです。
これは元・リクルートの「創刊男」くらたまなぶさんの本から学んだことですが、
こうした『不』こそが喫緊の改善ポイントであり、
新製品や新サービスに直結するヒントが隠れています。
そしていったん相手が乗って話しだせば『不』ネタはどんどん出てきます。
というか『不』ネタほど、放っておいても出てくるものです。
そうなればしめたもので、
こちらは相手の腰をできるだけ折らないことを心がけていれば良い。
ただし、やってはならないのが相手の話をリードすること。
こちらがリードした時点で相手に何らかのバイアスがかかってしまう恐れがあります。あくまで相手の話したいように話させてあげることが大切です。
そして流れの中で、時に「なぜ、そう感じるのか」と相手の内面に問いかけたり、
抽象的な発言に対しては具体的な例やエピソードを求めたりします。
あるいはあいまいな表現には数字的な裏付けを求めたりしながら話を進めていく。
そうやってインタビュイーが抱えていた『不』の理由に迫ることができれば、
そのデプインは成功といえるでしょう。
デプインから得られる顧客不満こそはまさに宝の山です。
だから実のあるインタビュー調査をやるのなら、
グルインよりデプインだと筆者は考えているのです。
それに何よりインタビュアーの本音としても、
やっていて楽しいのがデプインですから。
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