マーケティングカレッジの受講生の方から、 「紳竜の研究」というDVDをお借りしました。 結構、売れているみたいですね。 紳助曰く、「何をしたら売れるか?考えた」。 彼は、本当に徹底的に考え抜いたようです。 その結果、彼は自分独自の漫才理論を 「教科書」として作りあげたそうです。 しかも、それらは極めて戦略的に考えられていることに驚かされます。
洋七を崇拝していた紳助は徹底的に洋七の漫才を研究したとのこと。
あのテンポの速い「8ビート漫才」はその結果生まれたんですね。
漫才の世界でも「ベンチマーキング」は有効だったわけですよ。
それは、漫才のセオリーを完全に無視するもので、
観客に考える隙を与えないテンポで喋りまくるスタイルは
漫才の技術革新、イノベーションと言えそうです。
これが、彼らの御笑いを支える「コアコンピタンス」ですね。
■ 戦略的シナリオづくり
彼は、「M1グランプリには勝利の法則がある」と言う。
M1の審査員は、数多くの漫才を見続けています。
したがって、当然飽きが来るんだそうですね。ま、それは無理もない、、、(笑)
で、重要なのが、インパクト。
しかし、最初からきれいなストーリーを作ろうとすると、
納得感は得られるけど、インパクトは出ない。
インパクトを出すためには、、、
2分(M1予選の制限時間)の漫才なら4つのネタがあればよい。
その4つのネタを考えるのに、
(1) まず、メインテーマを決める
(2) そして、テーマに関わるネタを15個考える
(3) そのなかのインパクトあるネタBest4を決める
(4) その4つのネタを無理やり組み合わせて流れを作る
というプロセスでストーリーを組み立てるそうな、、、
大衆は誰も漫才のストーリーを楽しもうなんて思っていませんよね。
あくまで漫才の主役は「ネタ」にあるわけで、
結局、ストーリーはネタを披露するための演出に過ぎないわけですね。
■ プレゼンシナリオ
そして、全体のシナリオとして気をつけているのは、
最後の30秒の盛り上がり。後半に盛り上げるのが鉄則だと、、、
これも、言われてみれば当然なんですが、
そのために、最初の1分間は捨てても良いと言い切っています。
1分でキャラづけをして、すべては最後の30秒のために構成する。
ビジネスプレゼンにも相通ずるものがありますね~
■ 終わりを感じた一瞬
ダウンタウンを見て「終わったなぁ」と思った。
やっていることは自分たちと同じ。それを遅いテンポにした新しい漫才。
あまりに完成度が高かったと紳助は回想しています。
竜介はいつも「俺は紳助の第一号ファンだから、、、」と言っていたそうです。
そんな竜介も、その後49歳にて亡くなってしまいました。
生前、50歳を機に「1日だけ紳竜を復活させよう」と話していたそうです。
残念ながら、漫才に多くのイノベーションを起こした紳竜を
再び見ることはできなくなってしまいました。
しかし、漫才界に残した足跡は永遠ですね。
株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦
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