商品が売れない。そこで、とにかくプライスダウンをしてしまう…。しかし、こんな時節だからこそ消耗戦を強いられる価格競争ではなく、どんな商品・サービスなら売れるか、またどうやったら高くても売れるか、を追求していきたいところです。
今回の不況について、ずいぶんと深刻なコメントが新聞、雑誌に載せられています。ウォーレン・バフェット氏のように「回復待ちで好機を逃すな」と前向きな提言をする人もいる一方で、例によって「100年に一度の危機」であり、「回復は2011年以降」などの不安をあおる発言も多々みられます。
景気は生き物であり、人々が「ダメ」と思えば回復は遠ざかり、人々が「イケる」と信じれば春が訪れるようなものでしょう。
さて、プライスダウンの話。仮に、1000円の商品に値頃感を出そうとして900円で販売する程度のことは普通です。しかし、商品の利益率が仮に20%であった場合、ふだんの利益金額は200円なのですが、900円で販売すると100円となってしまい、実に50%のマイナス。
この不足分を補うには、販売量が2倍に増加しなければなりません。果たして、100円の値引きでお客様は倍増するでしょうか??? インパクトを出そうとして値引き幅を拡大すれば、利潤はさらに減少してしまいます。それに、一度、引き下げた価格を元に戻すのは、マクドナルドであってもたいへんです。
それよりも、発展拡大的にビジネスを伸張していく手法はないでしょうか。ニーズは、いつも誰かの不満を解消することにある、としたら…。いやいや。いまや20世紀のようにモノが不足したり、不便さや既存製品に不満を感じる時代ではないのである、と説教臭くいわれたばかり…。
ところがどっこい。この不況下こそ、不満、不足を感じる人が多いのが現実ではないでしょうか。困っている人がいれば、…ビジネスが成立する、でしたよね。
たとえば価格.comは、「より賢い買い物がしたい」と考える人々が増えたことを受け、アクセスが60%も増加したそうです。同サイトでは家電やパソコンなどを安価で買える情報が見つかるわけですから…。同様に、ディスカウントショップや「ニトリ」のようなカテゴリーキラー、「コストコ」などのホールセールクラブ、「ダイソー」に代表される100円ショップも集客に困ることはないでしょう。
しかし、価格が安ければよい、というものでもありません。日本の消費者は世界一成熟した、厳しい目を持っています。ユニクロが売上を伸ばしている理由は低価格だけでなく、「ヒートテック」や「ブラトップ」など、他社にない付加価値を世に問うているからです。
自動車でいえば、新車販売よりも中古車販売がよく、さらに修理ビジネスがよい、といえるでしょう。多くの企業が事業所を閉鎖・縮小しはじめているため、中古オフィス家具の買い取り販売のビジネスも盛況となっています。飲食店の居抜き物件取引も増えています。つまり、修理・リサイクルビジネスですね。
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2009.11.25
2009.11.25