機能性の認知限界を考慮せよ!

2009.02.16

営業・マーケティング

機能性の認知限界を考慮せよ!

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

新商品発売のニュースを見た時、 「そうそう、こんなの欲しかったんだよ・・・!」 と感じる商品がありますよね。 最近こんな声が多く聴かれた商品に、 キングジムの新商品、 デジタルメモ「ポメラ」 があります。

しかし、キングジムの担当者は、
当初の商品コンセプトを大切に守り切ったようです。

おかげで、ターゲット顧客にとっても
ベネフィットの明快な商品として幸先の良いスタートを
切ることができたといえます。

新商品、特にパソコンや携帯電話などのIT系商品は、

「多機能化への誘惑」

が大きいですね。

しかし、あまりにも多くの機能を
一つの製品に組み込んでしまうと操作が
複雑になりがち。

そうすると、ユーザーの

「認知限界」

を超えてしまう。

つまり、理解、判断、学習能力をオーバーするため、
使い方を学んだり、覚えることが不可能となり、
結果的に利用しなくなってしまうのです。

以前の記事

『機能性と使い勝手』

でご紹介しましたが、ターゲットユーザーは、
使用前のテストでは多機能な商品ほどを高く評価します。

しかし、実際に利用するようになると、
「使い勝手」を高く評価することがわかっています。

私たちは、本来シンプルで使いやすい商品こそを
求めているということなのです。

人の「認知限界」は、

製品の形状、大きさ、重さ

といった目に見えるデザイン分野では
とても重視されています。

「軽薄短小」

が一般的なトレンドとはいえ、
何事も小さすぎればいい、軽すぎればいい
というものではないので、

ジャストサイズ、ジャストウエイト

を慎重に決めています。

ところが、目に見えない「機能性」については

認知限界

があまり考慮されていないようです。

機能てんこ盛りの携帯電話機を考えてみれば、
明白でしょう。

まあ、盛り込める新機能も一段落ついたので
ようやく単機能化へと転じつつありますけどね。

『機能性と使い勝手』
http://www.mindreading.jp/blog/archives/200606/2006-06-08T1119.html

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

フォロー フォローして松尾 順の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。