ノートパソコンと言えば、今や0円の時代。モバイル通信とのセットでネットブックを買えば、タダになるパソコンもある。当然、売れる。が、ネットブックが売れている背景にあるのは「イノベーションのジレンマ」ではないのか。
明らかなオーバースペック
が、家庭で、たとえば主婦やリタイヤ世代の方たちが使うパソコンとして、そこまでのスペックが必要だったのだろうか。そりゃ確かにテレビを見れた方が「いい」かもしれない。でも、その人たちにとっては、テレビは茶の間にあるのを普通にリモコン使って見る方がよほど気軽に楽しめるだろう。
あるいはネットで流れている動画をバンバン見る、だろうか。ここは今ネットで流れている動画コンテンツが、どんな人たちをメインターゲットとしているかを考えてみればいいのではないか。もちろん動画コンテンツは急増中だから、主婦やシルバー世代が楽しめるものも充実してきてはいるだろう。が、割合でいえばまだまだすく少ないし、あえて検索してまで見たいだろうか。
少なくとも今の40代から上の世代なら、高画質化が進んでいるとはいえ、ネット動画は画質が劣ると感じるのではないか。だから、大枚はたいて高機能パソコンを手に入れたはいいけれど,結局使っているのはサイトを見たりメールをちょこっと書くぐらいといった状態、まさに宝の持ち腐れとなっているケースも多かったものと推察する。
ネットブックの使われ方
そんな状況に一躍踊り出てきたのがネットブックである。これは機能を思いきって絞り込んでいる。もちろん動画を見ようと思えば、見れないことはない。が、わざわざこれで動画を見ようと思う人は、それほどいないだろう。
あるいはExcelシートを何枚も開いておいて、原稿はWordで打ち込みながら、PowerPointをぐりぐり動かして壮大なプレゼンテーション資料を作る、人もまあ少数派だろう。
名は体を現す。ネットブックユーザーは、ネットにアクセスするためにこのマシンを使うのだ。あるいはメールを読み書きするためにネットブックは使われるといってもいいのかもしれない。メールを書くためには、何か調べものをすることもあるだろう。そのためにブラウザーを立ち上げることもある、ぐらいのイメージか。
あるいは、そもそもGmailユーザーならGoogleだけを立ち上げておけば、Word、Excel、PowerPointにPDFと送られてきたファイルを他のアプリケーションを立ち上げることなく見ることができる。ついでにいえばWord、Excel、PowerPointなら編集だってできる。結局、ブラウザーさえちゃんと動けば、実用上は何も問題ないわけだ。
となるとネットブックは思いきったスペックダウン=コストダウンを実現可能である。
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