じわりじわりとブームとなっている工場見学をはじめとした企業見学。 ターゲットをビジネスマンにあてて、彼ら/彼女らが企業見学をする意義について簡単に挙げます。
見学に行ってみると様々なことが発見できます。
たとえば、その企業が見学者に何を最も伝えたいのか、どの分野に注力していているのか、普段の業務で誰を最も意識しているか。
これらは展示スペースの面積や展示の仕方から類推することができます。
また、企業の見学者に対する接し方という観点でも、見学者と親しい関係を企業が築きたいのか、それともより畏まった関係を望んでいるのかという違いなども発見できます。
おそらくこれらはレポートからは手に入れることの難しい貴重なデータの1つとして業務に役立つはずです。
【顧客(Customer)を知る】
Customerというと最終消費者が思い浮かびますが、便宜上「取引先」と解釈します。
たとえばネジを作っている会社に勤めている人であれば、そのネジを使って製品を作る会社が取引先であり、一方で逆の立場も成り立つわけです。
なぜ、取引先を知ると便利なのか。
それは、営業活動を行う際に取引先の雰囲気、重点商品および今後の戦略の方向性などを把握できるからです。
提案には決して侮れない情報源だと思います。
例えば、過去に取り組んだ事例の中で次のようなものがありました。
部材メーカーB社と取引のあるA社からの相談は、B社の注文に応えるという受身の状況は今後の売上の先細りを考えると回避すべきもので、能動的な営業を行いたいというものでした。
従来のA社はB社の注文の背景がわからず、B社の発注内容に合わせた製品を納品していました。
単なる御用聞き状態です。
A社としては、自ら提案をB社に行って積極的に製品を売り出すことで、B社からの値下げ圧力から解放されたいとの意向もありました。
そうした背景から、B社の取引先である最終製品メーカーC社の意向(どうした商品を売り出そうとしているのかなど)を把握する必要を認識し、さまざまな調査をお手伝いさせてもらいました。
当時はC社へ見学に行くというアイデアを提供するまではできませんでしたが、今振り返ってみると見学を提案するべきだったと少々後悔しています。
もちろん、見学を取り入れなくてもA社の売上は伸びたことは付け加えて起きますが、見学をすることでよりいっそう売上が伸びたことと信じたいです。
【自社(Company)を知る】
自社を見学したのは新入社員時代の研修でのみという人が多いのではないでしょうか。
見学施設が本社にしか設置されていないなど距離的な障害があって足を運ぶ機会に恵まれないこともあるかと思います。
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