ハイタッチな口コミ・マーケティング~カイタッチ・プロジェクト

2009.01.23

営業・マーケティング

ハイタッチな口コミ・マーケティング~カイタッチ・プロジェクト

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

「愛」とはなにか? 心理学では次のように説明されることがあります。 「愛とは、相手本位に時間を与えることである」 つまり、相手のために、 自分の限られた時間を奉げることです。

私たちにとって最もうれしいのは、
金さえ払えば誰でも買えるモノをもらうよりも、
わざわざ時間を取って助けてくれたり、一緒に過ごしてくれること。
(ちなみに、相手が望まないのに自分の時間を奉げるのは、
 単なる「ストーカー」ですね)

ビジネスにおいても同じです。

へたな「おまけ」や「プレゼント」も、
ないよりはマシですが、簡単でもいいから、
手書きのカードをもらうほうがよほどうれしい!

自分のために時間を割いてくれたということが
わかるから。

こうした意味で、
キッチン用品やカミソリ等のメーカー、貝印が
昨年(08年)10月から続けている、

カイタッチ・プロジェクト - KAI TOUCH Project! -  

がなかなか面白いと思います。

当プロジェクトは、端的には

「ネット口コミ促進施策」

と言えますが、
従来になかった取り組みを行っています。

それは、上記プロジェクトサイトで出されている
各種のお題にユーザーがブログで答えると、
担当者がその回答を探し出して当該ブログを訪問、
個別のコメントをつけるという点です。

当プロジェクトの対象はエンドユーザーであることから、
このプロジェクトが成功すればするほど、
担当者の負荷は相当なものになります。

一日中コメント対応に追われるという状況に
なりかねません。ひょっとしたら、もうそんな状況に
近づいているかも知れませんね。

わたしも、たまたま年末に、

貝印の替刃式カミソリ

を購入し利用していますので、
お題のひとつにブログで答えましたが、
まだコメントがつきません!(笑)

・カイタッチ・プロジェクト!(KAI TOUCH Project!)参加

あるブロガーは、お金をもらうよりも、
担当者からコメントをもらうほうがよほど
記事を書く気になると言っていますが、私も同感です。

マーケティングは、

「効率性」

を重視しすぎるあまり、
しばしば、いかに手間をかけないか、
楽をするかを考えがちになりますよね。

効率性を追求することはもちろん間違いではありません。

しかし、お客さまの信頼や好意を得るためには、

誠実な愛

を行動で示すことが最も有効です。

それには、お金ではなく、
もっと時間を使うべきなのです。

この場合、

効率性の追求

をあきらめなければならない。

カイタッチプロジェクトは、
当の担当者にとっては、目先の成果にもすぐには
つながりにくいし、正直面倒な作業かもしれません。

しかし、こうした

ハイタッチなコミュニケーション

は長く続ければ続けるほど、
見返りが大きくなっていきます。

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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