大晦日である。もういくつも寝ないでお正月。 初詣に行って「おみくじ」を引く機会もあろうかと思う。 不景気が加速すると言われる新年。 果たして、大凶なのか、大吉なのか? その確率やなんやらをマーケティング的に考察してみる。
どのくらい儲かるのか?簡単な試算をしてみる。
前述の伏見稲荷神社の3が日の参拝者は、約250万人。
その内の35%がおみくじを購入すると想定すると、875,000人。
おみくじ1回あたりが100円だったら、87,500,000円の売上げ。
粗利益は、86,625,000円。
わっ・・・神主、丸儲けである。
これを全国規模で考えてみると。
日本全国の初詣参拝者は9820万人なので・・・
その内の35%がおみくじを購入すると想定すると、3437万人。
おみくじ1回あたりが100円だったら、34億3,700万円の売上げ。
粗利益は、34億263万円。
参考までに比較すると、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の2007年度の経常利益が約34億円である。拠点数 1,576 店舗、TSUTAYA 会員数1,899 万人が、1年間かけて稼ぎ出す利益を、神社は、初詣の3が日の「おみくじ」だけで叩き出すわけである。
大晦日である。数時間後には、確実に、おみくじを引く。
経済的には「凶」の相が出ていると言われる2009年だ。
できることなら、「吉」以上を願う。
そして、人間らしく「吉」以上の暮らしを実現するために、日々努力する。
ユダヤ人の格言にある・・・・
『最悪に備えれば、最善が自ずとやってくる』。
そして、パソコンの父であるアラン・ケイは、
『未来を予測する最善の方法は、自らそれを創りだす(発明する)こと』という。
そうっ、おみくじは、今年を占ってるわけではない。
そこから、何を創り出すかが大事なわけである。
人間の発明した、未来のためのロングセラー商品なのである。
結果が最悪だからといって・・・
思考を停止し、行動を止めることが、最大のリスク。
おみくじを引くとは、
新年の最初で最善の、未来を自ら創り出す機会なのである。
そう考えると、「大吉」だって、「大凶」だって・・・
例え、「大大凶」だって、どーんと来いであるっ。
不況だって、大凶だって、前向きに、そこから未来を発明するのであって欲しいと思うわけである。
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神社とお寺のマーケティング論
2009.01.02
2008.12.31
2008.12.19
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。