もういくつ寝るとお正月♪みんなこぞって初詣である。 そこで、年始に向けて、神社のマーケティングについて考えてみた。
NHKの紅白歌合戦の視聴率は年々下がっているが・・・
初詣の参拝数に大きな変化はない。不景気も重なってむしろ増加傾向だ。
「大衆」なんてないという時代に、神社には、その「大衆」を取り込む能力がある。
マーケティングを「持続的な交換活動を創出するための総合的な活動」とするなら、高齢化社会が本格化する日本の中で、神社は、おもしろいマーケティングの場となるはずだ。
神社は、地域の経済復興の基礎となる「やる気や想い」を呼び起こし、持続させる重要な拠点になりうるかもしれない。
お寺も神社も、宗教法人であり、国から保護政策をさられた場所であるが・・・
現在、お寺の経済はかなり厳しいらしい。
それもそのはず、江戸幕府がキリスト教弾圧のためにこしらえたお寺固有の檀家制度は、布教もちゃんとせずに、寝てても布施が入ってくる仕組みを作り出した。
しかし、戦後ならまだしも、現在では、こんなお寺から信者の心が離れていくのは当然。親の世代から継いだ若い世帯主は、あまり信仰心はない。現実的に、お寺に行く機会は、ほとんどない。そうすると、近所のお坊さんは、葬儀や法事のときだけやってきて、高額な布施を請求する悪徳業者に見えてきてしまう。お寺の経済を破綻させている諸悪の根源は、檀家制度という「坊主丸儲け」の仕組み自体。なんとも皮肉である。
お寺の存続は、若い世代の檀家にとって、そのお寺の住職が好きか嫌いか。尊敬できるか、どうか。そんな個人的な関係の維持が、その寺の収入を決定していくことになる。檀家制度の中での、お寺のブランド戦略は、なかなか難しいっ。
その点、神社は、氏子制度というものがあるにしろ・・・お寺ほど人間くさい付き合いにならない。
さらには、年間の地域祭事機能を持っているため、氏子の地域を越えた集客が、そのブランド力や戦術によって可能になる。
お寺は、人間くさい関係が、収益を左右する。
しかし、神社は、装置として、ブランドとして、その機能性向上が、収益を上げる。
全国各地の神社に、さらにマーケティング視点が加われば、さらに面白い場になるはずだ。
面白いことに、「神社」をキーワードにネット検索していると、ランチェスター戦略を推進されるコンサルタントの方々が、ブログで「神社」を良く取り上げておられるのがわかる。
「神社」と「ランチェスター」相性がいいのだ。
「ランチェスター」戦略のモデルに、「神社」は、語りやすいのだろう・・・。
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神社とお寺のマーケティング論
2009.01.02
2008.12.31
2008.12.19
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。