村ぶろ・・・和歌山県北山村発

2007.06.19

営業・マーケティング

村ぶろ・・・和歌山県北山村発

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

紀伊半島の南東部に位置する小さな村。 和歌山県北山村。 村面積48平方キロの97%を山林が占めています。

→北山村公式ホームページ

北山村は、136年前の廃藩置県の際に和歌山県残留の道を
選びました。このため、周囲を三重県と奈良県に囲まれた
全国で唯一の飛び地自治体だそうです。

この村もご多分に漏れず少子高齢化、過疎化が進み、
今の住民はわずか516人です。(2007年5月31日現在)

同村の基幹産業となっているのは、柑橘類の「じゃばら」生産。

近年、「じゃばら」は、花粉症に効果があることがわかり、
人気が高まっています。

また、ダム建設によって中止を余儀なくされた、
600年の歴史を有する「筏流し」の伝統技術を継承した

「観光筏下り」

を復活させることで、観光事業を中心とした地域づくりに
取り組んでいます。

この取り組みの一環として開始されたのが、

「村ぶろ」(murablo)

北山村が主催する自治体初のブログポータルです。

今年3月からテスト版がオープンしてましたが、
6月21日にグランドオープン。

「村ぶろ」には、北山村の住民以外の誰でも、

「村人(むらびと)」・・・仮想村民

として登録することで、
無料のマイブログを開設することができます。

テスト版オープン以来、これまでに登録した
仮想村民は、約5,900人。(5月17日現在)

なんと、仮想村民は住民の10倍以上に膨れ上がっています!

現在はコミュニティ機能も追加されており、
地域SNS的な「仮想村」として発展していく可能性が
ありますね。

もちろん、単にネット上の活動だけでなく、
北山村の村人としての意識が醸成されることによって、
「じゃばら」の直販サイトの売上増につながるでしょうし、

「私のもうひとつのふるさとに帰りたい」
(東京生まれの人にとっては、新たなふるさとになる!)

という気持ちから、そうでもなければわざわざ行く気には
ならない不便な場所にある同村に観光に行く(帰る)人も
増えてくるでしょう。

北山村に永住したいという人も間違いなく出てきます。

「村ぶろ」の今後の展開は、
少子高齢化・過疎化に悩む地方の活性化に効く、
ネット活用例として要注目でしょう。

あ、私も早速、村人になってみました。
登録は簡単ですね。

巨大すぎて無個性化した大手の無料ブログポータルよりも、
手作り感があっていい感じです。

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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