いわゆる5万円パソコンが、意外な層に売れ始めている。ネット接続にほぼ用途を割り切り価格を抑えた「ネットブック」は、もしかしたらブルーオーシャンを開拓したのではないだろうか。
購入者に20代の若者が増えているらしい。しかも、その若者たちは2台目としてではなく、初めてのパソコンとして「ネットブック」を選んでいる。これまでネット接続も含めてすべてをケータイ1台でまかなってきた層が「ネットブック」へシフトしていることになる。
間違いなく100円モデルの効果だろう。ネット接続はケータイで十分と考えていた20代が、より画面が大きくて入力もしやすい(ついでに動画も見れたりする)ネットブックを買っている。なにしろ100円である。ランニングコストトータルで見ればそれなりの金額を負担しなけれならないとしても、とりあえずイニシャルコストが圧倒的に安い。だからネットブックに手を出す。
ネットブックが引き起こす地殻変動
そもそも20代の半数ぐらいは、実はパソコンを使っていないという話がある。統計データの裏付けはないので実際のところは不明だが、ケータイがあればパソコンは不要という層が一定のボリュームで存在することは間違いないだろう。主婦層なども明らかにそうだ。
彼ら(&彼女たち)にとっては、最低でも十数万円するノートパソコンは、価値/価格バランスでみてまったく魅力的には映らなかった。しかしネットブックは違う。5万といえば今やケータイのボリュームゾーンである。同じ5万円を出すなら、ネットブックも選択肢の一つに十分に入ってくるだろう。
もちろんネットブックでは今のところ通話することはできない。が、それも今後はスカイプなどの普及によって解消される可能性がある。あるいは、そもそもケータイでもほとんど通話せず、ひたすらメールユースのみだった層にはネットブックの方が魅力的に見える可能性は高い。
ここにはもしかしてブルーオーシャンが広がっていはしないか。そう考えたときに、日本メーカーのように微妙な機能性で差異化を図るプロダクト戦略と、性能よりもファッション性をアピールするASUSやH.Pの方向性のどちらが支持を集めるのか。
ネットブックのこれからは、ネットの使われ方に明らかに影響を与えるのではないだろうか。そして、もしかしたらケータイの今後の変化にも影響を与える可能性があると思う。
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