コンテンツビジネスにおいては、サイコグラフィックにマスを切っていく枠組みが非常に重宝されますよね。結局、ニッチ訴求ではない枠組みが求められるからです。超大作映画はニッチをターゲットにしても回収できません。
最近だと、超大作テレビドラマでしょうか?
「LOST」とか、「24」とか。そういうものが、ニッチをターゲットとするか?
絶対しませんね。
なぜ、「LOST」はあんなに多様な人種が、老若男女が出てくるのか?入り口が欲しいからですよね。
登場人物が全員アメリカ人、白人のドラマをヒスパニック系が見るか?見ません。
黒人が見るか?見ません。
「ビバリーヒルズ青春白書」は白人とそれに憧れる人々しか見ません。それと、おじいちゃん、おばあちゃんは、ティーンエイジャーの恋愛はどうでもいいのです。
「LOST」に限ったお話しですが、無人島に墜落した多用な人種、老若男女を登場させ、極限状態に陥らせることで、人間とは何か?というところをあぶりだしていますよね。
そこで、みんながみんな完全な人間ではない。みんな、妬んだり、恨んだりします。
「LOST」のチャーリーは、妬み、恨みをわかりやすい形で表現する役回りですね。
人間は弱いものです。妬んだり、恨んだりする。世の中を斜に構えて見たりもする。
こういった点を強調したほうが、大衆受けは良くなります。なぜでしょう?
それは、メンタルヘルスの知見をベースにしたターゲティングフレームワークで説明できます。
メンタルヘルスレベルが上位20%の人々をなんと言うか知っていますか?自己成長レベルと言います。
どんな否定にも耐えて、自ら気づき、自ら行動できる人々です。
たまにいます。
ポジティブにガンガン行ける、走り続けられる。
そういう人は、心が健康なのです。でも、そういう人は世の中に20%しかいません。
ポジティブにガンガン行けば走れる!というメッセージはメンタルヘルスレベルが上位20%の人にしか受容されません。
それだけの要素しかない作品では、大衆受けせず、大ヒットしません。
そこで、LOSTのチャーリーみたいな人が出てきます。自分の過去、世の中を恨んだり、物事を斜に構えてみたり。
そういう行動が特徴的な人は、世の中ではメンタルヘルスレベルが中位の人々です。つまり、普通の人。
そういう人々をメンタルヘルスの知見では、コンプレイナーズレベルと言います。
直訳すると文句を言う人々。
つまり、普通の人、中位6割の人は文句を言う人々なのです。
そして、世の中を斜に構えてみる。もしくは恨む。
電車の中で、ニッカンゲンダイなどの夕刊紙の表紙をよくよく見てみると、こういうテイストで書いてありますよね。
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ターゲティング
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。