夏真っ盛り。夏休みを利用して海やプールなど水辺のレジャーを楽しむ人も多いだろう。そこで水泳や水遊びに興じている人々の水着に注目してみると、ここ数年でずいぶん変わったことに気付く。デザインの話ではない。機能が進化しているのだ。
さて、上記のように、水着は<実体>であるデザインが変遷しつつ、外部補助的な存在が<付随機能>を担って進化してきたが、先日、水着自体の<付随機能>に大きな要素が付け加わる商品が朝日新聞で紹介されていた。(Webへの掲出なし)
<濡れない水着 水の外でも寒くない>
水着や介護用品を製造する「フットマーク」(墨田区)が今年から販売しているという。
<水をはじくように特別加工した記事を、水着の裏表に使うので肌にべたつかない。水から上がった後、プールサイドで冷たい水着で身体を冷やさずにすむ。泳いだ後も、びしょびしょの水着を持ち帰らなくてもいいというわけだ>と記事にある。記事によると製造メーカーは<元々同社は、おむつカバーや水泳帽子のメーカーとして知られている>らしい。
中高年向けの水着を開発する過程で、1本1本の繊維に強力な撥水性を持たせた生地に巡り会ったということであるが、中高年だけでなく、撥水性のいい水着には需要があるに違いない。
考えてみると、「水着は濡れるもの」という固定概念がなかっただろうか。同社の水着は<ほとんど水がしみこまない>という素材が大きな特徴である。水着な濡れなければ、体温保持もしやすい。また、しみこまない故、色も鮮やかに保てるということだ。つまり、「濡れないこと」を前提に開発することによって、<実体>であるデザインと、<付随機能>である体温保持に貢献することができたのだ。
水着なのに濡れない。これは一つの「コロンブスの卵」と言っていいだろう。
製品本来の価値構造に重要な要素を付け加えられるよう、既成概念に縛られず発送することの重要性をこの事例は示しているといえるだろう。
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2008.12.03
2009.09.10
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。