「マイクロターゲティング」 とは、文字通りターゲットとなる人々のデータを詳細に分析、 細かくセグメントすることによって、効率的・効果的な コミュニケーションを行い、限られた資源(カネやヒト等)を 有効活用しようとするものです。
実は、「マイクロターゲティング」は、
「米選挙戦」でも積極的に活用されています。
従来の選挙戦では、マスメディアを通じて、
できるだけ多くの有権者にアピールすることが
重視されてきました。
しかし、昨日の「マイクロトレンド」でご紹介したように、
「有権者=一般大衆」は、価値観やライフスタイルが異なる
様々な層に細分化されてしまっています。
そしてまた、有権者が視聴するメディアも多様化しており、
従来のマスメディア主体のコミュニケーション戦略では、
十分な効果を挙げることができなくなってきました。
このため、ビジネスにおける優良顧客の発見と同様、
データ分析によって有権者の特性を詳細に把握して、
適切なターゲットセグメントや有効なコミュニケーション方法
を発見し、活動資金を適正配分する
「マイクロターゲティング」
のアプローチが、
2004年くらいから行われるようになってきたのだそうです。
例えば、民主党の大統領候補となったオバマ氏は、
「マイクロターゲティング」
のサービスを提供している企業の一つ、
‘STRATEGIC TELEMETORY’
社と契約しています。
同社のオバマ氏担当コンサルタントによれば、
クリントン氏との予備選においては、
次の2点に絞り込んでデータ分析を行いました。
1. オバマ氏の演説などの直接的なアプローチにより
支持してくれる浮動層の発掘
2. 既にオバマ氏を支持することを決めている有権者の特定
この分析を元に、オバマ陣営は、
オバマ氏を支持してくれそうな浮動層に対して、
効果的なコミュニケーションを行い支持者を増大させる一方、
既支持者には最低限のコストで「維持」することを狙ったのです。
データ分析の元になったのは、
選挙運動に先立って行われる数十万人規模の有権者調査。
分析には、SPSS社の予測分析ソフトが利用され、
有権者の行動や心理について予測モデルを作成します。
そして、例えば、
「Aデパートでよく買い物をし、ハイブリッド車を
所有する30歳台の女性は、環境問題に関心が強く、
オバマ氏を支持するかどうか迷っている」
といった浮動層を発見するのです。
オバマ陣営では、
こうした特性に合致する有権者をリストアップし、
電話をかけるなどしてオバマ氏への支持を訴えるというわけです。
日本の選挙戦でここまでのデータ活用をしている方は
まだほとんどいないかと思います。
しかし日本でも、「有権者=一般大衆」の細分化や
メディアの多様化が同様に進んでいますよね。
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2013.01.24
2015.07.10
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。