ビジネスで成功するためには、複数の選択肢を考え、もっとも成功確率の高い選択肢を選び実行することが必要不可欠だ。
これは、将棋やマージャンなどのゲームとよく似ている。
将棋であれば、次の一手は何通りもの選択肢があるが、まずはそれを考え、それに対応する相手の出方を予想する。
その中から経験と相手の特性を考慮し成功確率の高い選択をしていく。
マージャンは、捨牌を見ながらこれからツモる可能性の高いであろう牌を予想し、また自分の手牌の中から最もフリコム可能性が低い牌を選択していく。
このように、選択肢を考え成功確率を高める。しかし、言うのは簡単だが実行するは容易ではない。
なぜなら、たとえ成功確率が高い選択肢を見つけ実行しようとしても、社内外に様々な障壁が存在するからだ。
つまり、選択肢を実行に移し成功させるためには、あらゆる障壁を乗り越えなければならない。その障壁を乗り越えるスキルとして必要なのが、5つの交渉力である。
その5つの交渉力を身につけることで、選択肢の実行が可能になるのだ。
・自分との交渉力
・上司との交渉力
・部下との交渉力
・他部門との交渉力
・取引先との交渉力
仕事は、上記の5つの交渉ですべて成り立っていると言えるのだ。
仮にあなたがあるコンピュータを販売する商社の営業課長だとしよう。あなたの部下はA製品の大口商談を抱えている。
しかし、そのA製品は、他社のX製品と真っ向からぶつかる、いわば競合商品だ。
このA製品はX製品のおかげで、いつも価格競争の泥試合になる。
得意先からは、X製品はお宅のA製品よりも10%安い。
この情報を仕入れた部下が相談してくる。
「課長、競合のX製品は当社よりも10%も安い価格を出してきています。当社も10%の価格を下げるしかありません。」
あなたが課長なら、このあとどのようなアクションを取っていくだろうか?
まず大事なのは、選択肢を考えることだ。
価格を下げる。価格を下げない。本当に価格だけが得意先の決定条件なのか。価格と一概に言ってもそれは、製品自体の価格なのか?それとも配送コストや保守サービス費用を含めた価格なのか?それとも購入してからのランニングコストを含めた価格なのか?
まずは正しく正確な情報を部下に収集させることが、あなたの最初のアクションだ。
しかし、部下から見れば自分が得意先と会話している以上自信を持っている。
そこであなたは部下との交渉が始まるのだ。
部下がハッピーになるために部下を動かす。部下自身が正確な情報を収集することで、商談に勝つ確率が高くなることを理解させ動かす。
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2009.01.13
2009.01.15
株式会社メンター・クラフト 代表取締役社長
http://www.mentor-craft.co.jp/ http://www.mba-noryoku.com/ 大学卒業後、大手エレクトロニクス商社に勤務。その後、IT業界、映像コンテンツ業界と15年間の営業・企画・マネージャー等の経験を経て、 2007年4月に(株)メンター・クラフト設立。 豪州ボンド大学大学院 MBA(経営学修士) エグゼクティブ・コーチ(JIPCC認定) 日本コーチ協会正会員