毎月のローン返済やクレジットカードの支払いを、ほとんどの人は銀行引き落としにしているはず。しかし、銀行口座の残金が足りなくて、引き落としされなかった経験を持つ人も多いだろう。「後日、請求ハガキがきた時にでも、コンビニで支払えばいいや……」などと甘くとらえていると、将来、痛い目にあうかもしれない。 中国などではすでにかなり普及しているといわれている「信用スコア」は、こうした支払い能力などを数値化して個人の評価とし、それをさまざまな社会的手続きに活用しようというもの。それはまさに、大人のための「通知表」といえるもので、この信用スコアは中国のみならず日本でも導入が進んでいるという。 信用スコアとは一体どんなものなのか、問題点はないのか、そして日本でも今後普及していくのかなどについて調べてみた。
また、NTTドコモは「ドコモスコアリング」をスタート。これは、同社の電話回線契約者の情報を活用した信用スコアを、金融機関向けに提供するというもの。このドコモスコアリングのスコアランクを決める基本データは、ドコモの回線契約者の契約内容、利用時間、携帯電話料金の支払い履歴などとされている。
日本における信用スコアは、現在のところまだ顧客サービスの一環といった使い方のようだが、今後も情報大手企業が続々と参入していく可能性を秘めていることは確かだろう。
日本にも信用スコアは普及していくのだろうか?
キャッシュレス化が進んでいる現状を考えれば、日本でも信用スコアの普及は進むと考えられる。
もちろん、すぐに中国のように、信用スコアのランクによってさまざまな社会的な恩恵にあずかる……、他者の異なるサービスが受けられる……、あるいは、就職や結婚に影響をおよぼすようになる……というわけではないだろう。
なんといっても、いまは個人情報の管理が特に厳しく指摘されている時代だ。すなわち、企業側も自らが所有している個人データをスコア化するといった方法は、そう容易にできないはずだ。こうした点からも、個人情報管理の厳格化と、スコア決定過程の透明性が担保されない限り、信用スコアとして活用することは難しいと考えられている現状にある。
とはいいつつも、いわゆる「ブラックリスト」といった信用情報はこれまで確かに存在していたわけだし、それに個人の嗜好や道徳観などを加味したデータが活用されていくことは、それほど遠い未来のことではないような気もする。
──ある意味、近い将来、AIに人生を左右される時代がやってくるのかもしれない……。そう考えたときに空恐ろしさを感じるのは、果たして筆者だけだろうか。
≪記事作成ライター:三浦靖史≫
フリーライター・編集者。プロゴルフツアー、高校野球などのスポーツをはじめ、医療・健康、歴史、観光、時事問題など、幅広いジャンルで取材・執筆活動を展開。好物はジャズ、ウクレレ、落語、自転車
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