暖かくなってくると、どこかに出かけたくなるのは人間の性(さが)。1ヵ月後に迫ったゴールデンウィークは10連休にもなるというから、長期旅行の計画を立てている人も少なくないだろう。 もちろん「キャンプに行きたい!」と考えている人も多いはず。昨今、長期休暇中はどこのキャンプ場も大賑わいだ。 そんなアウトドア人気も相まって、キャンピングカー市場がこれまでになく活況だという。気ままにどこででも車中泊ができるキャンピングカーは、キャンパーたちの憧れ。しかし、以前ならまさに“高嶺の花”で、一部のお金持ちか好事家の専売特許だったはずだ。 その裾野が大きく広がった要因は、いったいどのあたりにあるのだろうか。
大量生産による価格下落が人気に拍車
2018年10月、東京・台場で開催された「お台場キャンピングカーフェア」には、2日間で1万8000人の来場者があったが、これは過去5年間で最高の人出だった。それほどキャンピングカーに注目が集まっているのだ。
やはり日本RV協会の調査によると、キャンピングカー購入金額は、オプションや諸経費を入れて、400万円台が16.2%で最も多かった。2番目が500万円台で14.9%、3番目が300万円台で13.6%となった。
これまでは500万円台や600万円台が購入価格帯の中心だったが、それが下がってきているのだ。これはキャンピングカーの人気向上に伴って大量生産されるようになり、規格を整えるなどしてコストが削減された結果と考えられる。
その一方で、さまざまなユーザーのリクエストに応えられるようバリエーションも増えている。大量生産と同時に、多くのユーザーの好みにも応えられるようにもなっているわけで、相乗効果でキャンピングカーの人気が高まっているのだ。
2017年のキャンピングカー総売上合計金額は約424億円で、前年比16%増だ。2014年から毎年322億、357億、365億と増えてきており、過去最高の売上を更新し続けている。
退職金で400万円ほどのキャンピングカーを購入し、悠々自適な旅を楽しむ。そんなセカンドライフに憧れるサラリーマンが増加しているのだ。
訪日客はレンタルでキャンピングカーを利用
キャンピングカー市場が活況であることのもうひとつの理由に、レンタカーの利用も高まっていることが挙げられる。
レンタルのキャンピングカーは、もちろん日本人の利用者も増えているが、訪日する外国人観光客の利用者が増えているという。
パッケージツアーで日本の観光地をまわることを卒業した人たちが、4〜6人程度のグループでキャンピングカーを借りて、自由に観光するケースが増えているのだ。
旅行で最もかさむ経費は宿泊費だ。複数人でキャンピングカーを借りれば宿泊代の大きな節約になる。また、ツアーの日程や集合時間などを気にすることなく、ゆっくり観光できることが大きな魅力なのだ。
東京や京都など、有名な観光地はすでに堪能した。もっとディープな日本を楽しみたいという訪日客にとって、安く、自由に旅行できるキャンピングカーが大きな戦力となっているのだ。
日本人の旅のスタイルがさらに自由なっていく
再び日本RV協会の調査に戻ろう。
キャンピングカーを購入したことで、旅のスタイルがどのように変わったかというアンケートでは、
●「出発時間や目的地を気楽に決められるようになった」が81%(複数回答)で1位。
●「立ち寄り温泉や観光施設をめぐるのが楽になった」が51.3%で2位だった。
●「経済的な旅行が可能になった」「天候などをあまり気にしなくなった」がそれぞれ22.5%あった。
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