「キャッシュレス決済と日本」と題し、「“現金主義”からの脱却なるか」「広がる電子マネー決済。決済手段の使い分けがさらに進む」の記事に分けて、クレジットカード、電子マネーについてお伝えしてきましたが、ここ最近、キャッシュレス決済の手段として、大きな話題になっているのがスマホアプリを使ったQRコード・バーコード決済です。 昨年から各社こぞってキャンペーン合戦を展開しており、認知度は飛躍的に上がっています。QRコード・バーコード決済の特徴は利用者の使いやすさだけでなく、店舗側も導入しやすいという点がありますが、そんな話題のQRコード・バーコード決済について、今回はご紹介しましょう。
三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクも参入
QRコード決済とは、レジで支払いをするときに、スマホ画面に表示したバーコードを店の端末機に読み取らせる、あるいは店に提示してあるQRコードを利用者がスマホアプリで読み取り決済を完了させるサービスです。
QRコード決済をするために必要なことは、まず専用アプリをインストールし、初期設定で銀行口座やクレジットカードを登録しておくことになります。ここまで完了していれば、QRコード決済ができる店舗であれば、スマホひとつあれば支払いが完了。
財布からお札と小銭を出して、おつりをもらうという従来の支払い方法に比べれば、各段に簡潔、スピーディーな決済方法であり、昨年からの大手企業の参入で、一気に盛り上がりを見せています。
代表的なサービスをみると、
2014年に「LINE Pay」
2016年に「Origami Pay」「楽天ペイ」
2018年にドコモの「d払い」、そしてソフトバンク「PayPay」がサービスを開始。
さらに現在、三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクグループも、共同で開発したシステムを用いてQRコード決済市場に参入することを表明しており、まだ新しいサービスとはいえ、いままさに百花繚乱状態にあると言えます。政府は2027年までにキャッシュレス決済の比率を40%まで引き上げるというビジョンを発表しており、官民そろってキャッシュレス決済への道を突き進んでいると言えます。
利用者を囲い込むための、ポイント合戦がスタート
おサイフケータイや電子マネー利用者にとって、スマホ決済はこれ以上必要ないと思われるかもしれません。こうした方々も含め、QRコード決済の魅力とはどのような点なのでしょうか。
MMD研究所(モバイルマーケティングデータ研究所)の調査によると、QRコード決済を利用する理由はのトップ3は以下の通り。
●トップは「ポイントがたくさん貯まるから」(39.4%)
●次いで「会計がスピーディーに終わるから」(31.9%)
●「キャンペーンを知って興味を持ったから」(26.6%)
(調査は1月上旬、20~60代の男女887人を対象に実施)
つまり約4割の人がポイント目当てで始めており、企業もその点を十分に承知してか、さまざまなキャンペーンを展開しています。
キャンペーンと言えば、ソフトバンク「PayPay」の最大20%の還元となる「100億円キャンペーン」へのインパクトの強さがまず思い浮かびますが、その話題性もあって、実際に前回のキャンペーン効果で登録者が400万人を超えたといわれています。
同様に、大手企業はさまざまな手段を講じており、「d払い」のNTTドコモでは、年間約1700億ポイントをユーザー還元分として投入。さらに楽天も、年間約2000億ポイントをユーザーに還元しており、クレジットカードや電子マネー、ネットショップなどと連動して、利用者の囲い込み合戦が繰り広げられています。
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