プロ野球2019年シーズンの開幕も目前に迫り、連日、オープン戦やキャンプの様子が報じられている。 ファンにとってはひいきのチームや選手の調子が気になると同時に、シーズンが始まるまでのワクワク感がどんどん高まる時期でもある。 さて、近年はその春季キャンプを、沖縄で行うチームが圧倒的に多い。かつては宮崎や高知などにも多くのチームが訪れたが、いつの間にか沖縄に集中するようになった。温暖な気候かつ施設が充実する沖縄は、いまやプロ野球キャンプのメッカとも言える地域なのだ。 プロ野球球団がキャンプを行うとなれば、多くの人やモノが移動するし、キャンプを見学しようと多くの観光客も訪れる。つまり、大きな経済波及効果があるわけだ。そこで今回は、なぜ沖縄がプロ野球のキャンプ地に選ばれるのか、それによって沖縄がどれほどの経済的恩恵を受けるのかについて考えてみよう。
また、プロ野球のキャンプ見学は若い世代や家族連ればかりでなく、中高年層の男性も多いはずだ。となれば、落とす額もさらに多くなっていくと考えられる。寒い本州などから来た観光客は、暖かい沖縄で「ついでにゴルフも」……も当然の流れ。想像以上に沖縄に恩恵をもたらしていると言っていいだろう。
沖縄が進めるスポーツツーリズム戦略
先に紹介したように、沖縄県内ではプロサッカー、そしてプロバスケットなど、他のスポーツのキャンプの誘致にも力を入れ始めている。そのためにグラウンドの芝を入れ替えたり、体育館を建て替えたりと、施設はますます充実している。スポーツ産業が、沖縄県の経済拡大にますます重要な役割を担うようになっているのだ。
「スポーツツーリズム」とは、スポーツの資源で旅行や観光の振興を図る取り組みのこと。スポーツを見に行くための旅行、それに伴う周辺観光、スポーツを支える人々との交流など、スポーツにかかわるさまざまな目的のための旅行がこれに含まれる。沖縄では、県の「スポーツツーリズム推進戦略」のもと、スポーツを目的に旅行へ出かける人を誘致しようと、数多くの取り組みを進めている。
いまや沖縄を訪れる観光客は年間900万人を超え、年間目標は1000万人となっている。年間観光客数ではハワイと同等となっている。
南国ならでは生来の観光資源に加え、スポーツツーリズムに県を挙げて取り組む沖縄。観光立県としての武器をいくつも持ち、ますます多くの人に愛される魅力的な島へと成長を続けている。
≪記事作成ライター:三浦靖史≫
フリーライター・編集者。プロゴルフツアー、高校野球などのスポーツをはじめ、医療・健康、歴史、観光、時事問題など、幅広いジャンルで取材・執筆活動を展開。好物はジャズ、ウクレレ、落語、自転車など。
【記事元】
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【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
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