消費者行動のモデルには、「こうなっている」と説明する「記述モデル」と、「こうする、こうあるべき」という働きかけを説明する「戦略モデル」があります。
消費者の心理や行動の変化についてのモデルには様々なものがありますね。
最も典型的で良く知られているのは
「AIDMA」
でしょう。すなわち、消費者の心理・行動は、大きくは以下のようなプロセスを経るというモデル。
-----------------------------
A:Attention(注意)
I:Interest(関心)
D:Desire(欲求)
M:Memory(記憶)
A:Action(行動)
------------------------------
また、インターネットが私たちの生活に深く根ざしつつある現在において、
「AIDMA」
よりも的確に消費者行動を説明できるモデルとして電通が提唱したのが、
「AISAS」
でしたね。
「AISAS」のプロセスは以下の通り。
------------------------------
A:Attention(注意)
I:Interest(関心)
S:Search(検索)
A:Action(行動)
S:Share(共有)
------------------------------
実のところ、「AIDMA」のモデルが有効であった時代においても、AISASで登場した新たな行動、すなわち
S:Search(検索)
S:Share(共有)
は別の形で‘細々と’行なわれていたわけです。
「検索」について言えば、パンフレットを企業から取り寄せたり、ショールームに行くなどの行動をしていた。これらは、「検索」というよりは「情報収集」
という言葉が適切ですね。
また、「共有」について言えば、家庭や職場などで、商品についての評価が会話を通じて共有されてきたのです。
ただ、インターネットの浸透、そして、ソーシャルメディアの登場により、
「検索」および「共有」
がとても簡単になった。その結果、消費者の心理・行動の変化のプロセスにおいて、「検索」および「共有」は多くの消費者が行なう一般的な行動となり、また、購買行動に大きな影響を及ぼすようになったことから、
「AISAS」
という新しいモデルが開発されたというわけです。
さて、上記の「AIDMA」「AISAS」などの消費行動の「ありよう」を説明するモデルは、
「記述モデル」(Descriptive Model)
と呼ばれています。
すなわち、現象を観察して主要な「概念」を抽出し
「仕組みやプロセスはこうなっています」
と説明するためのもの。
ただ、マーケターが、マーケティング戦略・施策を検討する際には、こうした「記述モデル」を「戦略モデル」に読み替えて活用しています。
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2015.09.14
2015.07.10
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。