日本マクドナルドのキャンペーンに見る「勝ちパターン」

2010.03.30

営業・マーケティング

日本マクドナルドのキャンペーンに見る「勝ちパターン」

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 外食産業苦境のなか、日本マクドナルドは2008年12月期の全店合計売上高は5183億1600万円を達成。外食産業としては日本でははじめて5000億円を突破。さらに翌09年12月期では営業利益は前年同期比24.0%増の242億円、最終利益は3.4%増の128億円となり、上場以来最高益だという。

 客数増と客単価増といえば、ドリンクメニューからも目が離せない。「カフェラテ」「キャラメルラテ」などのコーヒーのバリエーションを展開する「マックカフェ」の取り扱い店舗も徐々に増えつつ、春~夏に向けて「アイスキャラメルラテ」「アイスカフェモカ」などのコールドメニューも増やしている。ターゲットとなるのはマクドナルドの従来顧客もさることながら、昨年繰り返し展開した「無料コーヒー」で吸引した顧客層がベースとなっていることは想像に難くない。景気の低迷で割高なカフェ利用がためらわれるなか、街頭で「無料です」と引き込まれてコーヒーを試してみれば、確かにうまい。120円なら無料でなくともまた来ようということになる。今まで接点のなかった層を取り込んで客数増。次に「マックカフェ」メニューを投入して、「コーヒーより少し高いけど、普通のカフェよりは安いから」と注文を誘って客単価増である。

 商売の基本は、どこまでいっても「売り上げ=単価×客数」。その基本を徹底し、メニューとキャンペーン展開によって、微妙にコントロールする。巨大戦艦をミリ単位で操縦するが如きマクドナルドの戦略には脱帽だ。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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