今年1月にリニューアル発売された「ヤクルト ミルミル」が、3月25日・日経新聞にカラー全面広告を掲出するなど、さらに攻勢をかけている。その狙いと戦略は何だろうか?
ターゲットとポジショニングが絞れると、製品特性も明確化できる。成分表示を見ると、ビフィーネMに投入されていた「DHA含有魚油」「リン酸Ca」「ラクトフェリン」などが姿を消している。すっかりポピュラーになって、他の商品でも摂れるDHAなどはあえて「引き算」して、ビフィズス菌に特化しているのだ。砂糖も引き算だ。甘味料のパラチノースを使用している。大人が気になるカロリー対策だろう。
ターゲティング絞りきるのが怖くてつい、幅広にしてどっちつかずになる。製品にもあれこれと投入してしまう。しかし、そんなエッジの立っていない戦い方で生き残れるほど昨今の環境は甘くはない。ヤクルトはミルミルブランドの復活を「大人の腸」に賭け、日経新聞に広告を出したのである。その「引き算」の戦略には学ぶべき所があるだろう。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。