商品は工場から出荷されてから、様々な段階で試練と戦いを経て消費者が手にとって購入に至る。そこに携わる人々の様々な知恵と工夫が込められている。商品が並ぶ棚から、その断面が覗けることがある。
商品を購入してくれるターゲットに対して魅力をアピールするのは欠かせない。しかし、その購買に至る過程に絡む人のケアを忘れると、購入確率は低下してしまう。
購買意志決定に至る関与者をDMU(Decision Making Unit=購買決定単位)という。企業の場合、DMUは購入の窓口となって稟議を挙げてくれる担当者に対して、決済をする上司がであったり、システム製品であれば、社内サポートを担当するITセクションの担当者だったりする。家庭内ではご主人に対する奥方が強力なDMUである場合も少なくないだろう。しかし、企業内や家庭内、BtoB、BtoCに関わらず同一組織内にDMUが存在するとは限らない。この場合、コンビニ本部のMD、フランチャイズの店主がDMUなのだ。
商品は棚に並ばねば、消費者の購入意思決定の俎上にも上がらない。そして、棚をたくさん確保できれば、圧倒的に自社商品が並んだ棚の場の魅力度が増す。そして、最後の最後に、商品自体から消費者に魅力をアピールするのである。
たまたま隣り合わせに並んだかに見える、よく似た乳酸飲料の両商品。見えないところで壮絶な花火が飛び散っているのである。そんな背景にも思いをはせて、飲み比べてみてはいかがだろうか。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。