リカルデントの新シリーズ「スマートタイム」。ガム市場で強大なシェアを持つロッテに挑むキャドバリーが、秀逸な戦い方をしている。
ポジショニングを示す時に、複数の効用を示すことがいけないわけではない。
例えば、メルセデスの車は「Luxury」「Comfortable」「Safety」というポジションを示す。確かにメルセデスの車を思い浮かべれば納得がいく。しかし、BMWは「究極のドライビングマシン」という一言で自らのポジショニングを説明する。BMWの方が明快で魅力が伝わりやすいといえるのではないだろうか。
ポジショニングを示す時、どうしても、複数の属性を示したくなるものだ。特にマーケターは2つの軸、4象限でポジショニングを示す「ポジショニングマップ」を使い慣れているので、2つぐらいの属性を組み合わせたくなってしまう。
それを、キャドバリーはぐっとガマンしたのではないだろうか。
特に、チャレンジャーはリーダーに対して、「自分たちは違うんだ!」と言い続けて、ポジショニングを差別化しなくてはならない。あえて、一つの大きな効用を隠し、一番伝えたいメッセージに絞り込むのは大正解だといえるだろう。
戦略ポジションに応じたメッセージの絞り込み。実際には、つい欲が出るため、言うは易く行うは難い。ガムのポジショニングに学ぶところは大きいだろう。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。