景気の低迷で外食全般のみならず、仕事帰りの一杯は財布の中でずいぶんと圧縮される傾向にある。そんな中でうれしいのが居酒屋の激安メニューだ。鮮魚の刺身10円、焼き鳥1本50円、手羽先5本399円。その狙いを考えてみたい。
「いざなぎ越え」といわれた好景気から一転して米国発の金融危機に見舞われ、未曾有の不景気に突入した昨今。消費は低迷し、消費者の財布のひもは固くなる一方だ。記事の冒頭が<「お金がないから飲みに行くのは控えなきゃ…」なんて人に朗報!>と始まっているように、価格戦略は大きな消費の原動力となる。そして、外食は価格の変動によって、ある製品の需要や供給が変化する度合いを表わす「価格弾力性」が大きい業種の代表格である。価格弾力性が大きいということは、価格戦略が効くということだ。だとすれば、激安メニューは事態打開のためのクリティカル(きわどい)な一策として奏功しているのだろう。
価格戦略は前述の通り、企業の利益に直結するため「聖域」とされることが多い。しかし、今日の危機的状況を打開するためには、その聖域にすら手を付けざるを得ない。
恐らくは背水の陣を敷く居酒屋の展開に学ぶものは大きい。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。