「最近、あなたがおいでにならないから、 私とても寂しいわ・・・」 常連になってた夜の店のママさんやなじみの女性から、 こんな言葉を言われた経験のある諸兄がいらっしゃることと思います。
私は行きつけの店を作らない人なので、
残念ながら、こんな琴線に触れる言葉をもらった経験が
ありませんが・・・
さて、
「あなたが○○○だから、
私は○○○な気持ちになってます」
という言い回しは、カウンセリングの世界で
「I(アイ)メッセージ」
と呼ばれます。
相手の何らかの行動に対する、
私(I)の感情を伝えることから
このように言われるわけです。
実は、この「Iメッセージ」、
相手に何かをやって欲しい時に
とても効果的です。
なぜ効果的かというと、ひとつには
「押し付けがましくない」
からですね。
言い換えると「弱い説得法」です。
この「Iメッセージ」の対極にあるのが、
「Youメッセージ」です。
「なぜお店に来てくださらないの!」
「近いうちにまた来てくださいね!」
といった言い回しが「Youメッセージ」。
あなた(You)が主語の言い回し。
こうした直接的な依頼は、
「強い説得法」です。
人は、基本的に相手にコントロールされることを
嫌いますから、強制力がない限りは、
強い説得よりも、むしろ弱い説得の方がじわじわと
効くのです。
また、Iメッセージは、
おそらく、人間が集団生活を円滑に営むために
本能的に埋め込まれている
「人の役に立ちたい」「人を喜ばせたい」
という気持ちをくすぐるから効果が高いのでしょう。
(こんな気持ちが欠如している人もたまにいますけどね)
したがって、職場の上司・部下の関係(あるいは親子関係)
のような、ある程度強制力がある状況においても、
「この仕事やっといて!」
という、Youメッセージよりも、
「この仕事をやってくれると、俺すごく助かるな!」
という「Iメッセージ」のほうが、
いい仕事をやってくれる可能性が高まります。
もちろん、Iメッセージは、
マーケティングコミュニケーションにも
応用可能です。
というか、良好な関係性ができている
既存顧客向けのコミュニケーション
(メルマガやDMなど)ではよく利用されています。
今後、取引先などから自分宛に届いたDMに
Iメッセージが含まれていないか、
また、もし含まれていたら、
そうしたメッセージが自分の心をどれだけ揺り動かすか、
ちょっと考えてみてくださいね。
なお、新規開拓にIメッセージは効きません。
知りもしない企業や人の気持ちを
一方的に伝えられても気持ち悪いだけですから。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。